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岩 堀未来+長尾亜子 / BASIC DESIGN ARCHITECTS
感じることに対して「やさしい」
アンカー 1
快適性 : 過ごし易さ
ちょうど良い、光、風、温度、湿度による穏やかな空間
高齢者や障害者のような方の中には、気候や環境の変化に体を慣らすのにストレスを感じる方もいます。ストレスから心に不安を感じる場合もあります。私たちは、このようなストレスや心の不安を感じない安心で過ごしやすい室内環境を作ることを心掛けています。光や風や温湿度がストレスのない適正な状態になるように工夫しています。
光: 柔らかい自然光で満たされる空間
自然光による明るい室内は、心地よく安心できます。自然光を十分に取り入れる大きな窓や自然光を全体に行き渡らせる吹抜けを作ったり、逆に自然光を遮るような壁を作らない、等の工夫をしています。また眩しい直射日光を、間接光や拡散光による柔らかい光に変換して室内を満たすことを考えています。そのために、天井や壁や建具や家具などの部位の材料や色に配慮しています。
風: 自然のそよ風が流れる空間
自然の微風が室内を流れていくのは気持ちが良いものです。風の出入口である窓の配置や大きさ、風の通り道である部屋の形は、風がスムーズに流れるように考えられています。壁や家具は、風の流れを遮らない配置を考えます。
温度: 室内のどこもがちょうど良い温度に保たれた空間
四季を通じて室内を適度な温度に保つこと、場所によって室温が極端に変わらないことは、心地よい安心感につながります。このような室温のバリアフリーな状態を作り出すことを考えています。そのために、間取りや部位の設計、素材の選択に配慮しています。エアコンなどの機械にできる限り頼ることなく実現することを考えています。庇やルーバーの設置もその工夫の一つです。 空調方式は主に輻射式を考えます。通常のエアコンは温度調整された空気を室内に吹き出すことで空調する対流式という方法です。この方式は、温度調整された空気が外に流失すると室温が変わってしまうので、窓を閉じなくてはならず閉塞感があります。またエアコンからの気流が体に当たる不快感は拭えません。 一方、輻射式はパネルや床などの輻射面から発せられた電磁波により、体に熱を伝える方法です。これは、焚き火や暖炉の火から暖をとる方法と同じです。焚き火が外でも暖かいように、窓を開けて外気を取り入れても体感温度はさほど変わらないので、開放的で心地よい温度環境を作ることができます。また気流が生じないため穏やかな空気感を作り出すことができます。
湿度: 壁や床下の見えないところも湿気を逃がす構造
四季を通じて室内を適度な湿度に保つことは、心地よい安心感につながります。また壁の中や床下などの見えない部分の湿気を取り除きカビを生じさせないことも大切なことです。風通しの良い間取りとし、更に壁の中や床下などの見えない部分の空気を動かし、湿気を逃す工夫をしています。各部位は、調湿性を考慮した材料を選択します。
素材性 : 親しみ易さ
時とともに風情が増す素材に包まれた空間
各部位に使用する素材は、時間の経過とともに風情が増すようなものを選択するように心掛けています。どんな素材で作られているのかが、一目で分かるように、素材感を表して使用します。通常は、新築時が最も良い状態で時間経過とともに劣化をしていくと考えますが、私たちは時間経過は素材の味が増す過程であると考えています。素材感というものは、物に愛着を持つために重要な要素ですが、それが時とともに変化していくことで、更に愛着が湧いてきます。手入れをすることに楽しさを見出すことができる空間です。
使うことに対して「やさしい」
アンカー 2